2014年2月
MAZEGANE FUCHI: マゼガネ 縁 [2014年2月28日 13:41 by 杢目金屋]
GURIBORI TSUBA : グリ彫り鐔 茂直(花押) [2014年2月26日 14:16 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE OJIME : 木目金 緒締 [2014年2月24日 15:15 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE KASHIRA : 木目金 頭 無銘 [2014年2月21日 13:54 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE KISERU : 木目金 煙管 [2014年2月20日 15:09 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE KOZUKA : 木目金 小柄 [2014年2月19日 14:29 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE KOZUKA : 木目金 小柄 [2014年2月18日 15:01 by 杢目金屋]
GURIBORO INRO : 印籠と根付 [2014年2月17日 11:51 by 杢目金屋]
GURIBORI TSUBA : グリ彫り鐔 無銘 [2014年2月14日 13:28 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE TSUBA : 木目金鐔 無銘 [2014年2月13日 13:26 by 杢目金屋]
GURI KOUGOU : (屈輪)香合 [2014年2月12日 13:31 by 杢目金屋]
GURIBORI FUCHI KASHIRA: グリ彫り縁頭 [2014年2月11日 14:04 by 杢目金屋]
GURIBORI TSUBA : グリ彫り鐔 無銘 [2014年2月10日 14:03 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE YATATE : 木目金矢立 [2014年2月 7日 19:41 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE MENUKI : 木目金目貫 無銘 秋田正阿弥派 [2014年2月 6日 17:54 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE YATATE : 木目金矢立 [2014年2月 5日 13:36 by 杢目金屋]
MOKUMEGANE YATATE : 木目金矢立 [2014年2月 3日 13:07 by 杢目金屋]

MAZEGANE FUCHI: マゼガネ 縁

こちらは木目金の地金を鋤き出し彫りによって

掘り出した作品でございます。

木目金 グリ彫り mokumegane guribori

鋤き出し彫りとは、図柄・文字などを輪郭に沿って、

見せたい所以外を削って表す手法で、

刀の縁頭などに使われた技法です。

木目金とグリ彫りの技術を合わせて

新しい技術に挑戦したと見て取れる作品といってよいでしょう。

木目金の自然の創りだす美しさに、

グリ彫りの立体感と、層の模様を出す技術が合わさっています。

動きと迫力、そして木目模様のゆったりとした、

しかし複雑な色味や模様という表情が、

新しい技術、次の世代への可能性を感じさせる作品です。

 

江戸時代中後期 四分一、赤銅

H38.7×W21.9×T12.5 24.6g

Fuchi with technique of Mazegane .

Signed:"Takahashi Okitsugu," with kao.

Mid-to-late Edo  period

Shibuichi , Shakudo

GURIBORI TSUBA : グリ彫り鐔 茂直(花押)

こちらはグリ彫りの鐔でございます。

グリ彫り 鐔 guribori tsuba

グリ彫りの層の繊細さ、赤銅の色上げの

丁寧さなど、随所に鐔工の腕の良さがうかがえる作品です。

模様は曲線模様が多いですが、その模様の中に

見えるグリ彫りの層の見え方、バランス等、

とても美しい鐔です。

光の具合でほんのり青くも見える金属の

輝きの中に、層を成して存在を示す赤銅が、

透かしの縁をなぞるように走り、

模様のカタチを効果的に見せてくれています。

 

江戸時代中後期 赤銅、銅
H69.2×W66.9×T4.5mm 87.4g

Tsuba with openwork design of guri scrolls.

Signed:"Shigenao" with kao.

Mid-to-late Edo period
Shakudo, Copper

MOKUMEGANE OJIME : 木目金 緒締

こちらは木目金の緒締めでございます。

木目金 緒締 mokumegane ojime

 

実物は小さく、可愛らしい木目の緒締めです。

木の実のようなフォルムのこれは、

袋の口に通してある紐をまとめたり、

口を締めたりする役割の物です。

表面の銀の部分と銅の部分のコントラストが

美しく、抽象的な絵画がくるんとまるまっている

ような楽しさも感じられます。

小さな中にも、技術と美術が吹き込まれた、

こだわりの作品です。

 

江戸時代後期 銀、赤銅、銅

H16.8×W9.3 2.1g

Ojime with design 0f woodgrain pattern.

Late Edo period

Silver , Shakudo , Copper

MOKUMEGANE KASHIRA : 木目金 頭 無銘

こちらは木目金の頭でございます。

木目金 縁頭 mokumegane fuchigashira

 

もっとも一般的な木目金といってもよいデザインのものです。

とはいえ、その模様は自然が作り出したもの。

唯一無二の木目金の表情を楽しめるところは、

やはり大きな特徴です。

少し暗め色味の中に、水面を透かす

光の色を感じることができます。

部分的に赤銅が施されており、

それが全体を引き締めるアクセントになっています。

個性はどの作品にもありますが、木目金は

それを身近に気付かせてくれます。

 

江戸時代中後期 赤銅、銅
H31.2×W17.1×T8.8mm 9.0g

Kashira with designed of woodgrain pattern.Unsigned.
Mid-to-late Edo period
Shakudo, Copper

MOKUMEGANE KISERU : 木目金 煙管

こちらは木目金の煙管でございます。

木目金 煙管 mokumegane kiseru

 

角が丸いですが、少し金属の部分が強調されているような

デザインの、そこの部分に浮かび上がるように木目金が使われています。

金属と金属に挟まれて使われている木目金は、「間」を大切にする

文化を感じさせます。

おのずと景色を想起させる作りですが、木目金の部分が主張しすぎず、

全体の調和をとがらせることなく、さり気無い印象です。

煙管の先からぷかりと浮かぶ煙。

当時の光景も、木目金は語ってくれそうです。

 

江戸時代後期 金、銀、赤銅

L 196.0mm 31.2g

Kiseru with design of woodgrain pattern.

Late Edo period

Gold,Silver,shakudo

MOKUMEGANE KOZUKA : 木目金 小柄

こちらは杢目金の小柄でございます。

杢目金 小柄 mokumegane kozuka

 

白黒のモノトーンでありながら、その色の見え方が

驚くほど豊かで、かつ模様も繊細な小柄です。

丸い模様が沢山入っており、水面を跳ねる水の輪が

激しい様子を映しているようです。

また、泡のようにも見え、見ていて飽きの来ない木目金の中でも、

様々な表情を見せてくれる模様。

幕末から明治の間に作られたと考えられ、

時代の変遷の中に産まれた作品です。

 

江戸時代後期~明治 銀、赤銅

L100.3×W15.4×T4.5 32.8g

Kozuka with design of woodgrain pattern.

Late Edo to Meiji period

Silver , Shakudo

MOKUMEGANE KOZUKA : 木目金 小柄

こちらは木目金の小柄でございます。

 

木目金 小柄 mokumegane koduka

 

表には日本的なデザインを配置し、裏側に貼られたのが

こちらの木目の部分です。

輸出目的やお土産品として作られたものと推測され、

木目金の技術が安定して、量産の装飾にも使用されるようになった

一つの証ともいえるでしょう。

浮かび上がる木目模様は透明感があり、

雲の形作る、不可思議な模様のようでもあり、

光と影を映し出す、水底の土のようにも見えます。

職人たちの技術が目に触れやすい物となり、

それでも尚、訴えかける情景があるのが、

時を超えて伝わって来ます。

 

江戸時代後期~明治 銀、赤銅

L95.7×W14.4 26.3g

Kozuka with design of woodgrain pattern.

Late Edo to Meiji period

Silver , Shakudo

GURIBORO INRO : 印籠と根付

こちらはグリ彫りの印籠と根付でございます。

グリ彫り 印籠 根付 guribori inrou netuke

 

珍しい丸い形の印籠です。

形状から香合を連想させる印籠です。

根付も丸く、柔和で何かの印のような

まとまりのあるデザインとなっています。

グリ彫りの曲線と彫と朱の部分が、

暖かみと手に馴染むような親しみを感じさせます。

 

江戸時代後期 漆
印籠 : H55.0×W54.0mm 63.1g

根付: H22.5×φ41.7mm 19.8g

Inro & Netsuke.

Guri type carved lacquer with spiral motifs.
Late Edo period .
Lacquer

GURIBORI TSUBA : グリ彫り鐔 無銘

こちらはグリ彫りの鐔でございます。

グリ彫り 鐔 guribori tsuba

赤銅と銅を重ねた積層は、

そのグリ彫りの彫のカタチから、

美しくも荘厳な雰囲気を湛えています。

荘厳ではありながら、積層の色味が全体に深みを与え、

この雰囲気を出すアクセントになっているのでしょう。

 

 

江戸時代中後期 赤銅、四分一、銅
H64.5×W58.2×T4.7mm 83.5g

Tsuba with designed of guri scrolls
Unsigned
Mid-to-late Edo period
Shakudo, Shibuichi, Copper

MOKUMEGANE TSUBA : 木目金鐔 無銘

こちらは木目金の鐔でございます。

 

木目の流れの中に、玉状の模様が入っているのが

特徴です。色合いも様々なものが見え、

山の中で出会うような景色があります。

斜めに流れる木目の模様は、ある程度の

大きさでないと出てこない為、三枚の地金を繋ぎ合わせ

てあります。豊かな動き、うねりが垣間見え、

力強さと雅やかな部分が同居した美しい作品です。

 

江戸時代中後期 赤銅、銅、金、銀
H83.5×W74.8×T5.3mm 189.2g

Tsuba with designed of woodgrain pattern
Backside and rim is gileded
Unsigned
Mid-to-late Edo period
Shakudo, Copper, Gold, Silver

GURI KOUGOU : (屈輪)香合

こちらはグリ彫りの香合でございます。

明から新時代初期の作とみられますが、

時代を感じさせない位の美しさを保っている作品です。

六角形の形状は珍しく、まるで雪の結晶のような

印象のデザインです。

艶やかな漆の黒に見え隠れする層の朱は、

インパクトがありつつも主張しすぎず、

模様の美しさに深みを与えています。

 

明後期~清初期 漆
H30.3×W75.6mm 53.4g

Incense Container, Guri type carver lacquer with spiral motifs.
Late Ming to early Qing dynasties Laquer

GURIBORI FUCHI KASHIRA: グリ彫り縁頭

こちらはグリ彫りの頭でございます。

 

渦巻き紋の縁頭です。

渦巻きは回転の象徴とされ、

世界各地でその形状を見ることができます。

特に生命の循環としての重要な意味合いを持つものもあり、

人類が早くからその形状を、象徴的な意味で使用した

もののひとつといえます。

グリ彫りの積層がさらにその渦の奥行きを造り、

シンプルながら引き込まれるデザインです。

 

江戸時代中後期 赤銅、銅
H34.2×W18.4×T10.0mm 17.8g

Kashira with designed of guri scrolls
Unsigned
Mid-to-late Edo period
Shakudo, Copper

GURIBORI TSUBA : グリ彫り鐔 無銘

こちらは「グリ彫り」の鐔でございます。

透かし彫りのグリ彫りの鐔です。

模様はとても繊細で、グリ彫りの線が

更に深みを与えています。

結び目のような形や、

木々をデザイン化したような模様が、

丸い鐔の中に納まっています。

時代の中に残る美も内包され、

保存されているようです。

 

江戸時代後期 赤銅、銅
H74.4×W70.5×T3.8mm 94.3g

Tsuba with openwork designed of guri scrolls
Unsigned
Late Edo period
Shakudo, Copper

MOKUMEGANE YATATE : 木目金矢立

こちらは木目金の矢立でございます。

まるく柔らかいつぼ型の墨壺が印象的な矢立です。

ぷっくりした、存在感のある墨壺がぶら下がっており、

表情のある筆入れとの比較がまた面白いです。

木目金の表情に、陶器の表情を重ねると、

確かに共通する美、味わいがあるように思えます。

そして真鍮地に逆に荒らし鏨で

雰囲気をかもしだしている筆入れは、

墨壺とお互いを引き立てあっている存在とえるでしょう。

木目金のもつ雰囲気を、全体のバランスになじませた作品です。

 

江戸時代後期 銅、赤銅、真鍮
L210.0mm 98.0g

Yatate with design of woodgrain pattern
Late Edo period
Copper, Shakudo, Brass

こちらは「木目金」の目貫でございます

 

輪が二つ重なったようなデザインの目貫。

木目の模様の自然であり、唯一無二なその模様が、

輪の永遠な形の中に流れている。

その意味を想像するだけでも、

人生観のようなものが想像させられます。

奥深いカタチと木目模様のコラボレーションといえる

作品でしょう。

 

 

江戸時代後期 金、赤銅、銅
上 H21.5 to 23.7×W34.4×T3.0mm 13.1g
下 H21.7 to 24.2×W35.1×T3.0mm 13.2g

Menuki with design of woodgrain pattern
Unsigned
Late Edo period
Gold, Shakudo, Copper

MOKUMEGANE YATATE : 木目金矢立

こちらは「木目金」の矢立でございます

 

木目の模様がしっかりと見える矢立です。

少し明るめの色に模様が見えるさまは、

墨で何かを描いたようです。

複雑な動きを感じさせる模様は、

雨がまさに降っている中の、

激しい波紋の動きを想像させます。

平らであるのに、立体的な躍動感を感じれるのは、

木目金の成せる独特の技術と言えます。

 

 

江戸時代後期 赤銅、素銅
L210.0mm 189.6g

Yatate with design of woodgrain pattern
Late Edo period
Shakudo, Pure Copper

MOKUMEGANE YATATE : 木目金矢立

こちらは「木目金」の矢立でございます。

形状は、矢立としては一般的でありながら、やはりその素材が

「木目金」になるというだけでも、印象が変わってまいります。

まるで紅葉を思わせるような紅と、葉陰を思わせる黒の色。

鮮やかに浮かび上がる模様に物思いつつ筆をとる

その動作さえも、一つの景色織り込んでしまう。

そんな魅力が、この作品にはあります。

 

江戸時代後期 赤銅、素銅
L210.0mm 98.0g

Yatate with design of woodgrain pattern
Late Edo period
Shakudo, Pure Copper