https://www.touken.or.jp/museum/
同美術館は収蔵品の数が約9000点と、東洋美術品の分野においてスイスで最も重要なコレクションとなっています。当日は同美術館の全面的な協力の元、収蔵されている木目金及びグリ彫りに分類されている作品41点全ての調査研究を行いました。5月には、この時の調査結果を元に同美術館に収蔵されている「木目金地鐔 銘 川越住 恒忠作」の復元研究制作を行いました。またこの復元作品は公益財団法人日本美術刀剣保存協会主催の「平成27年 新作名刀展」において努力賞をいただいています。
こちらはグリ彫りの鐔でございます。
こちらは偽の銘が刻まれていることで
有名な、いわくつきの鐔です。
偽の銘を入れるにしても、その「偽」
質が重要になってきます。
グリ彫りそのものが技術として
難易度があり、そして彫りも精巧に
されている等、当時の職人の
研究熱心な部分には、関心させられる
部分が多々あります。
江戸時代中期 赤銅、銅
H80.5×W76.3×T4.1mm 154.9g
Tsuba with designed of guri scrolls
Fake signed:"Shoami Denbei, a resident of Dewa Akita"
Mid-Edo period
Shakudo,Copper
こちらは「木目金」の小柄でございます。
水の動きが、目の前で広がっていると錯覚を覚えるほど、
実際の景色を流し込んだようなデザインです。
蛸や魚がその中でどのような生活をしているのか、
または何を思うのか。
そこまで想像してしまうのは、木目模様が生み出す
臨場感だからかもしれません。
江戸時代後期 銀、四分一、赤銅、銅
H98.0×W14.6×T4.0mm 29.3g
Kozuka with design of fish and octpus on woodgrain pattern.
unsigned.
Late Edo period
Silver, Shibuichi, Shakudo, Copper
こちらは寄金細工の煙管でございます。
複数の模様がいくつも集って出来る寄金細工。
部分的な模様の違いは、屋根の瓦の違いだったり、
群生している植物の種類が違う、その境界線
のような、別のものが折り重なる美しさが見られます。
木目金も別々の金属の融合から生まれる美しさがあり、
そのつながりの有りかたは違いますが、
どこか共通した美意識があります。
江戸時代後期 金、銀、赤銅
L 230.0mm 53.0g
Kiseru with design of mosaic pattern.
Mid-to-late Edo period
Gold,Silver,shakudo,shibuichi,pure copper